老舗の料亭旅館をそのまま利用したユニークなギャラリー・スペース「ギャラリー阿多古館」(静岡県浜松市天竜区西藤平)にて、昨年11月の「"hide-and-seek 2"展」から7ヶ月ぶり、6回目の個展を開催します。古き良き時代の趣をとどめるレトロな日本建築を、新旧の鉛筆画作品で埋めてしまいます!題して「"Time Machine"展」です。

※注:本展は既に終了しています。このページは開催時の告知ページです。
"timemachine" 藤田明鉛筆画展
清流・阿多古川と西阿多古川が合流する地に、料亭旅館として創業し150年の歴史を刻む老舗「阿多古館」は、建物自体が一見の価値ありです。森林浴兼ねてぜひ。(@_@)/

empty colours (AKIRA FUJITA):pencil drawings 藤田明鉛筆画展

「"Time Machine"」

「"Time Machine "展」について

"タイムマシン(Time Machine)"は、1895年にH.G.ウェルズが発表した同名の小説がその起源だそうですが、僕たちにとってはのび太君の机の引出しの中にあるやつや、『タイムボカン』シリーズ、『Back To The Future』のデロリアンとかを思い浮かべるかもしれません。個人的にはNASAの宇宙物理学者カール・セーガン博士が『COSMOS』の中で時間と空間の旅に連れて行ってくれたのも、想い出深いものです。

誰でもいちどは歴史上の人物や自分の先祖や子孫に会いに行ったり、太古の恐竜の世界や滅亡した古代文明、中世の貴族の生活や未来の宇宙都市を見てみたいと思ったことがあるんじゃないでしょうか。

同時に、時間をさかのぼってあの頃に戻りたいとか、人生をやり直せたらとか、自分の未来に有効な何かを知っておきたいとか思うようなこともあったかもしれません。

 

これまでの8年間、僕はほとんど鉛筆だけで描いてきました。

鉛筆には華やかな色みがない代わりに、見るひとそれぞれのイマジネーションを喚起する不思議な色調と、控え目ながら幅広い絵画表現の可能性があります。僕は他の絵描きがあまり手を出していないこの分野に、「隙間産業」(笑)的な自分の居場所を感じて、独自の鉛筆画を目指してきました。

作家個人の想像力やエゴに由来する思想よりも、歴史や民族の偉大な伝統に惹かれ、ケルトの装飾文様に衝撃を受けたり、縄文土器に新たな意味でのシンパシーを感じました。そこから進んで、先史美術・民族美術全体に時代と場所の違いを超えて感じられる、何か「人間らしさ」のようなものに通じる根本的なカタチを追求して行くようになりました。

一方で、音楽やシュルレアリズム絵画などにインスパイアされ、ご都合主義の空想の世界ではなく、自分のココロの中にあるカタチを取り出す試みもしてきました。無作為に付けた紙の汚れやシミを観察することで見えてくるものから発想を膨らませて描いて行く奇妙な技法を、「紙の無意識」・「水の無意識」と呼ぶようになりました。

偉大な伝統から出発したものと、パーソナルは感覚から出発したものが、いつかどこかでばったり出会う時が来るのではないかと期待しているのですが、まだそこには至っていないようです。

 

それなりに信念を持って続けてきたわけですが、決して計画通りに時間を重ねてきたわけではなく、試行錯誤のなかで、結果として何となくある方向に歩いてきた感じです。この先、自己満足以上の意義ある何かにつなげられるのかどうかは分からないままだし、ヤバそうだからってUndoしてカードを切り直すことは出来ないわけです。僕の机の引き出しには、タイムマシンは来ないのですから。

「阿多古館」でのお話を頂いた時、この時間の流れが止まったタイムカプセルような場所で、僕自身も一旦停止して、サキユキフトーメイな自分のこれからのことを考えてみるのも良いかもなー、と思いました。中途半端にならないといいのですが、これまでの作品を軽く振り返りつつ、新作もカマしつつの展覧会を予定しています。

そう、タイムマシンは未来へも向かうのです。
で、「"Time Machine"展」とゆうわけです

「ギャラリー 阿多古館」とは?

今回の会場はいわゆる美術画廊とはちょっと趣が違うのです。

「お近くの方はぜひ〜」..かと普通に言いたいところですが、浜松駅からだとかなり遠い場所にあるので、正直、「お近く方」はあんまりいないでしょう(笑)。わざわざドライブしていただかないとたどり着けないような場所です。

とはいえ、道はうねうねするものの、とにかく道なりに来ていただくだけ。ずいぶん山奥に入って来て若干心配になりますが(笑)、それでもそのまま。「上阿多古郵便局」(「下阿多古局」ではなくて、そのまた先ですよ。念のため。)が見えてきたらその少し先の右手に、まるで時代を間違っているかのような館が見えてきます。

阿多古川は天竜川にそそぐ支流で、近年はキャンプ場としてにぎわうスポットもあるみたいですが、かつては、この清流の豊かな自然のもとで鮎やモズクガニなどを獲る漁業も盛んであったといいます。また旧・天竜市(現在の浜松市天竜区)は大部分が森林地帯で、その林業は全国的にも有名ですね。

そんな産業が現在よりもずっと華やかだった時代、羽振りの良い旦那衆が集まって夜な夜なお酒や芸者遊びに興じた場所のひとつがこの「阿多古館」であったということです。

旅館としての創業は今から150年前。残念ながら現在では旅館としては営業していませんが、当時のままの骨董品のような古びた建物をそのまま活かして「ギャラリー阿多古館」が開設されています。

僕の展覧会中には引っ込めてしまうかもしれませんが、館内には代々館主の蒐集した書画・古器・民芸・アンティークなど、昔の面影いっぱいのレトロなモノがちりばめられています。

また、現在の館主「鈴木一由(すずき・かずよし)」さんは、ゴジラやウルトラマンなどの古いフィギュアの熱心なコレクターで、そのコレクションはものすごい数に上ります。赤塚不二夫など昔のマンガにも詳しい詳しい(笑)。上手いことお話しできる機会があったら、ラッキーですよ。

「なつかしの中華そば」などお食事も出来るのですが、何せ「※不定休(事前にご確認ください)」とかいう調子の、のんびりした営業をしているところなので、あらかじめ電話で確認してから来ていただく方が無難です(笑)。

とにかく、今回は珍しく会期が1ヶ月もあります。
こういうところには、ぜひ、いつもとは違う時間感覚でお越し頂きたいものです(笑)。

【詳しくはこちらを】
ギャラリー阿多古館
 浜松市天竜区西藤平288 -->「阿多古館までのアクセス」・「Googleマップ
 ※事前に営業時間やお食事の有無を確認した方が良いです。〔電話 (053)928-0025〕

タイムマシンは未来を目指す..

今年の夏、アイルランドとイギリスを旅することに決めました。行く行くと言い続けてはや数年、「地球の歩き方」を5冊も買ってまだ行けてませんでしたが、遂に行きます。もう成田・ロンドン往復のチケットを買いました。決定です。後には引けません(笑)。

ストーンヘンジとエブベリーのストーン・サークル、バレン高原のドルメン、モハーの断崖やジャイアンツ・コーズウェイ、スケリッグ・マイケル島、ニューグレンジとノウスの遺跡、そしてハイクロスや『ケルズの書』など、ケルトの史跡・遺物と先史時代の巨石建造物などを見てくる予定です。いっぱい写真も撮って来ようと考えています。

音楽を通してこれら異境の文化に出会っていなかったら、僕の現在は、たとえ絵を描いていたとしても、ずいぶん違ったものになっていたことでしょう。間違いなくどっぷり影響されて帰ってくるはずです。でも向こうへ行けば、いまよく分からない何かの「答え」が見つけられるかといえば、多分、そういうもんでもないんだろうなとは思っています。

誰の言葉だったか、「人生とは人前でヴァイオリンを弾きながら、その楽器について学んで行くようなものだ」という言葉がありました。多分、万事そういうことなんでしょう。とりあえず、渡欧前に軽くいままでを総括するような感じの展覧会となります。

どうぞ、お楽しみに。

で、最後に"開催要項"というやつ.. お気軽にお立ち寄り下さい。

"timemachine" 藤田明鉛筆画展

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