"hide-and-seek"とは英語で「かくれんぼ」の意味ですが、単語をバラすとご存知の通り、hideは「隠れる/隠す/隠れ家」、seekは「探す/探求する/模索する」って意味です。
僕が隠れ家にしている喫茶店で開催する展覧会であることと、絵画に限らずアートとは何かを探し出す作業と言えるんじゃないかな、ということとを引っかけたものです。
で、今回はそれの2回目とゆうことで、何のひねりもなく「"hide-and-seek 2"展」です。
今年の夏に開催した「"grayscale" 3nd edition展」に来ていただいた皆さん、どうもありがとうございました!!
「"grayscale"展」は美術画廊で開催し、鉛筆画の可能性を追求して行こうっていう、言ってみればクールでアートっぽい個展です。もしかすると「難しそうだ」と思うひともいるかも知れませんが、数は少なくても誰かのココロには届いてくれることを祈りつつ、徹底的に挑戦して行く作品展です。「3rd edition」は過去3回の「"grayscale"展」の中でも特に実験的な作品展になりましたが、小心者の作家の心配をよそに、意外にも盛況でチカラを得ました。応援して下さった皆さんに感謝。シリーズ化して今後も「4th edition」「5th edition」...と続けて行く予定です。
それはそれとして...
今回の「"hide-and-seek"展」は昨年第1回を開催し、今年で2回目になります。こちらもまた、シリーズ化して続けて行こうと思っている作品展です。
普段画廊に行って絵を見るようなことのない人にも、鉛筆画の不思議なグレーの美しさを、気楽に楽しんでいただこうとゆうことで、カフェなどいわゆる画廊以外のスペースで行う個展をこう呼ぶことにしました。
絵を見て何かを感じるために、本来、難しい知識や特別な経験は必要ないはずです。言ってみればユルくキュートに、会場とのコラボレーションで、新旧の作品から親しみやすいものをセレクトして構成する展覧会です。画廊とは一味違うカフェという環境で、気楽にお茶や絵本と一緒に楽しんでいただければと思います。
僕はしばらくの間こんな風に、硬派な作品展のシリーズと、親しみやすさを重視した作品展のシリーズとの「二頭立て」で、それぞれ取組んで行こうとか思っています。
なお、お近くでない方・お忙しい方も、出品作は後日このサイトにアップします。いつになるかは怪しいもんですが(汗)、必ずアップしますので、どうぞお楽しみに。
「カフェ オルガンサン」は2005年1月、静岡県浜松市東伊場にオープンした小さなカフェです。絵本のコレクションと、若手作家による雑貨もおいている隠れ家っぽい喫茶店です。詳しくは前回の「"hide-and-seek"展」の時のご紹介を見てくれい。
前回同様、期間中スペシャル・メニュー(まだ何だか教えてもらってないのですが)も登場する予定です。
僕は、何かを見ながらそれを描くということをあまりしていません。楽譜を見ながら間違えないように楽器を弾くような描き方は、どうも僕には向いてないみたいです。
鉛筆で汚した紙のその汚れをじっと見ていると、それは何かのカタチに見えてきます。そこから発想を膨らませて描く技法を「紙の無意識」と名付けました。これと同じように、水彩鉛筆によるシミから発想を膨らませて描く技法を「水の無意識」と名付けました。
こういった特殊な技法は「描くための技法」というより、「発想の転換」を促す手段のようにも思われます。描こうなどと思ってもみない絵が出来上がってくることに、僕自身驚きながら描いています。
これが何になるのかはまだ分りませんが、この不思議な感覚の中から生まれてくる作品を、しばらく追求して行くつもりです。
今回のお知らせハガキにもあしらっている、毎度おなじみのシリーズ「何らかの植物」のほか、楽器と音楽、考古学やサイエンスからインスピレーションを得たもの、伝統文様や原始美術に影響を受けた作品を出す予定です。でも会場の雰囲気で最終的に決めます。
僕は絵描きの描く絵からも影響を受けたんですが、考古学や化石や微生物や宇宙や歴史とかの図鑑や専門書の図版からも大きな影響を受けたのです。それから音楽からも決定的な影響を。僕は紙と鉛筆で音楽を描いていると思っています。
言葉で説明しても訳分んないですよね。「"grayscale" 3nd edition展」や「零展」に出品した作品も展示しますので、夏に来れなかったひともぜひ。
あとですね、困ったことに(笑)、「"grayscale" 3nd edition展」である意味作品以上に、やけに好評だった「鉛筆」の展示も行いたいと思います。パーティの準備の都合で場つなぎに置いといたことが始まりでしたが、あれで鉛筆のイメージが変ったといってくれるひとが大変多かったのです。
鉛筆って、地味〜な画材だと思ってるかも知れないけど、僕はそうは思ってないだな。
ちょうど会場が「絵本と雑貨」のカフェとゆうことで、販売こそいたしませんが(註:見せるだけだよ、あげないからね、念のため!)、僕が使っている鉛筆などの道具たちも併せてご紹介します。「こんなに鉛筆ばっかり持ってんだ、ばっかだなー」とか思ってやって下さい(笑)。
自分の意思で始めて行くらしく行ったマグリット展の感激を僕は決して忘れないだろう。
絵や音楽に夢中になった頃の気持ちをいつまでも持ち続け、育てて行きたいと思う。
そしてきっと皆さん自身の中にもあるそういう気持ちと、ちゃんとコミュニケートしていくことのできる絵描きでありたいと思う。
だから僕は、小難しくして立派そうに見せようとしたり、実験を実験のままで終わらせてはならないと思う。ちゃんと自分以外のひとのココロに伝わるもの、自分以外のひとにとっても意味のあるものを創りたいと思うのです。それが僕の目標。
お楽しみに。
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