「"Winter Tails"」

ちょうどクリスマス・シーズンの開催となるので、今回は物語性のある作品を集めた作品展にしようかな、などと構想していて、とりあえず「ウインター・テイルズ（冬物語）」という言葉が頭に浮かびました。

でも、あれ？
「テイル」って綴りは「tail」で良かったんだっけ？と思って辞書を調べてみたら、やっぱり違ってた。 正しくは「tale」。「tail」だと「しっぽ」という意味になっちゃいます...

　「冬のしっぽ？」

何だか良く分かりませんけど、そんな綴りの間違いに端を発して生まれた小品から今回の作品制作はスタートしました。上にも載せたお知らせハガキにあしらった絵がそれなんですけどね。「冬のしっぽって何？」って、まあいいじゃん。クリスマスだし(笑)。何となくそんな感じです。

空の雲を眺めていると、人の顔や動物や乗り物や何かの道具や、色んなモノのカタチに見えてくることはないでしょうか？壁のシミや天井の模様を眺めていても、それが何か他のものに見えて来た経験はないでしょうか？あるいは、暗がりを歩いている時、樹の影が何か恐ろしげなものに見えたりしたことはありませんか？

ひとの瞳は脳やココロとつながっています。そのせいか、たとえ本来は無意味でとらえどころのないものであっても、僕らの瞳には、その気になれば、そこから何かのカタチや意味を感じ取れるチカラがあるようなのです。

僕は、紙を鉛筆の粉で汚して、その汚れをじっと観察して見えてくるものから発想を膨らませて描いていく技法を「紙の無意識」と呼んでいます。同様に、水彩鉛筆でつけたシミから描いていく技法を「水の無意識」と呼んでいます。これらの「技法」というよりはむしろ「発想法」のようなものは、今言ったような、ひとの瞳が元々持っている観るチカラを全面的に信頼して描くものなのです。

今回出す作品の多くは、実際に何かを観ながら描いているわけでも、何かを描こうと計画して描いているわけでもないのです。無心になって、紙の上の汚れやシミから見えてくるイメージを、紙と対話しながら、鉛筆で「発掘」していくような作業で描いていったものなのです。

だから普通なら、ものすごい前衛でめちゃくちゃな作品になってもおかしくはないのでしょうが、僕の場合はどうもそうはならず、原始美術・民族美術、サイエンスや考古学、そして音楽といった、僕の子供の頃からの興味・関心が反映されているみたいです。

意図的に何かを描こうとしないからこそ、僕のココロの中にあるものが、自然ににじみ出てくるようなのです。

　想像力というものは、
　「作家」と自称する人間だけが持つものではないと思うのです。
　絵を描いた僕にだけではなく、その絵を観てくれる君にも、
　同じかそれ以上の想像力が、きっとあるのです。

　いってみれば僕は、
　ふたつの想像力が出会うキセキを信じて描いている絵描きなのです。
　僕のへんちくりんな絵を、おもしろがってくれたら嬉しいです。

またしても小品中心で、新作10数点の他、近作から物語性のあるような作品をセレクトして構成したいと思ってます。

どうぞお楽しみに。

創業30数年の額縁専門店の(株)東海フレームさんが運営するギャラリーで、1階が額縁屋さんで、その2階がギャラリーになっています。白い壁のモダンな雰囲気のギャラリーです。有り難いことに今回で2度目の個展のお話をいただきました。

浜松からお車でお越しの場合は、国道１号線を西に向かい、豊橋の中心街に入る少し手前の「瓦町」交差点を左折、すぐ次の信号で右折、またすぐ次の信号で左折、道の左側、向山小学校の手前にあるギャラリーです。

電車でお越しの方は、豊橋駅東口の豊鉄バス乗り場からバスがご利用いただけます。
岩田団地線、西口線、天伯団地線、牛川金田線、飯村岩崎線のいずれかにて「商業高校前」で下車、徒歩5分。または、二川線(55, 56, 57系統)「向山小学校北」で下車、徒歩2分でもOKです。
※遠方からお越しの方は念のため事前に再確認されるとよいでしょう。
【豊鉄バス豊橋営業所】0532-44-8410（04：30～22：00）

「 art・age Garelly」（アート・エイジ・ギャラリー）
　※ホームページは残念ながら現在休止中だそうです。
　〒432-8036 愛知県豊橋市向山西町3-2 (株)東海フレーム 2F　-->「Googleマップ」
　TEL 0532-55-9988
　営業時間　10:00 ～ 18:00（会期中無休 最終日は17:00まで）